こちらの記事はレッドビーシュリンプの繁殖・飼育方法を中心にまとめています
飼育に必要な情報、コツなどは網羅していると思います
アクアリウム歴20年以上の自分の経験、情熱を文章にしました
これから始める人、もしくは飼育がうまくいかない人などの参考になればと思います
3年ほど前、レッドビーシュリンプの飼育について書いていたのですが、情報がやや古いため、新しく書き直しました
自分の主観や経験等も、加味し、オリジナルなコツ、裏技的なものも含め大幅にリニューアルしています
是非こちらをご覧ください

レッドビーシュリンプとは
学名 Neocaridina sp
黒い原種のレッドビーシュリンプを赤く固定した品種です
90年代に固定された比較的新しいエビです
それ以前にも黒いビーシュリンプは輸入されていました
ごくまれに赤い個体が混ざっていたのを覚えています
現在、レッドビーシュリンプの原種となった個体は絶滅したといわれています
サイズ
うまく育成できればオスが2.5cm、メスが3cmほどになります
寿命
1年~2年です
平均して1年半ほどですが、1年ほどで落ちる個体もいます
飼育難易度
魚類に比べると落ちやすいため、飼育難易度は高めです
コツさえつかめば簡単に殖やせますが、導入初期は難しく、購入した環境の水質によってはうまく順応できない場合もあります
3か月ほど飼育できれば安泰かもしれません
また、一度弱ってしまうと回復は難しいです
入手方法
値段
以前は数十万もする個体がいましたが、比較的安価になり、価格も安定しています
新品種に関してはわかりませんが、この先レッドビーシュリンプ高額になることはないでしょう
アクアショップであれば1匹1000円以内で買えると思います
都内では1匹500円以下のショップも多かったです
1万円あれば高グレードな個体でも購入できるでしょう
高いと感じるかもしれませんが、魚類より殖えやすいので、殖えることに着目すればそんなに高額ではないかもしれません
入手方法
入手方法はショップで購入するほかにヤフオク!や通販などを利用することができます
入手方法に関してはこちらでまとめたので参考にしてください

雌雄の見分け方
慣れるとパッと見で判別できるようになります
そのうえで自分はヒゲで判別し確実性をあげています
雌雄の判別についてはこちらにまとめています

エビの投入
輸送のダメージや環境の変化のダメージでエビが弱り、一週間ほどかけて徐々に死んでいくことがあります
2週間ほど経って元気にしていれば今後も大丈夫だと思います
水合わせ
自分の水槽に入れる前にしっかり水合わせを行いましょう
水温に気をつけ、長時間かけて行います
急な水温差が3℃以上あるとダメージを受けます
よくある熱帯魚で袋のまま水槽に浮かべるというのも水温差が生まれ危険な場合もあります
バケツでの点滴法も有名ですが、これも水温差が生まれますので、個人的には推奨しません
プラケースを浮かべての水合わせがオススメです
購入に最適な時期
日本には四季があり
夏場の水温管理
冬の時期の輸送などで難易度が上がりますが
欲しいと思った時が買い時です!
飼育方法
水槽サイズ
他の熱帯魚の飼育と同じでエビも60cm規格水槽が扱いやすいと思います
日本のアクアリウムメーカーなどは60×30×36を基本サイズとして考えているので、器具などのコストや拡張性を考えても60cm水槽は有利です
30cmのS規格水槽で爆殖した経験があり小さいサイズの水槽でも飼育は可能です
30×30×30の30㎝のキューブ水槽もオススメです
適度な水量と立ち上がりの速さ、殖えやすさ
エビのための水槽かと思うほどです
小さい水槽のほうが立ち上がりが早いのでそういう意味でも有利です
30キューブでも殖えるのですが、限界収容数に達すると殖えにくくなり、成長も遅くなります
それなら最初から60cm水槽のほうがいいかなと60cmメインに変えました
60cmの水槽で300匹くらいは飼えるのではないでしょうか
リセット等やトラブルがあった場合などを想定し、水槽は2本以上必要かもしれません
オススメの水槽
30cmキューブになるとコトブキ工芸のクリスタルキューブ、通称クリキュー
60㎝となるとGEXのグラステリアかコトブキのレグラスフラットになるかと思います
テトラやエーハイム、チャームオリジナルの水槽は接着面が雑だったり、ガラスがずれて接着されていたりすることがありました
以前、水槽が割れて大惨事になった経験がありますので、安全性にこだわって欲しいです
丁寧に作ってある水槽は最低条件です

水槽の寿命は10年と言われていて、また破損のことを考えると10年以内、できれば5年くらいで買い替えをオススメします
それを考えるとあまりにも高額な水槽というのも考えものです
運ぶ手間も考慮し、チャームで購入可能なものがオススメです
水温、水質
レッドビーシュリンプに適した温度は20~27℃くらいです
特に24℃くらいが殖えやすいです
綺麗に仕上げるために22℃くらいの低水温で飼育している人もいます
26℃の固定ヒーターでも抱卵し、殖えます
26℃でガンガン抱卵し、20匹くらい一気に抱卵個体が発生した経験もあります
pHは5.5~7.5の間であれば大丈夫です
幅広いpHに適応します
pH降下剤などは使用はNGです
TDSはRO水であれば計測する必要がありますが、水道水なら気にしなくてよいでしょう
自分は硬度を重要視しています
だいたい総硬度3~5°dHで
硬度は低めのほうが抱卵しやすい気がします
GHは高すぎると良くないのでカルシウムやミネラルの添加はほどほどにしましょう
水質や水温に関してはこちらにまとめています

エアコン
エアコンは必須です
特に夏場は水温を28℃以内に保ちたいところです
高水温に弱いというより、高水温で水質が悪化しポツポツ死んでいきます
ソイル
ソイルの選択は飼育の要です
ADAアマゾニア、GEX水草一番サンド、JUNマスターソイルネクスト、プラチナソイルあたりがおすすめです
ソイルに関してはこちらにまとめています

ろ過フィルター
外部式フィルターがオススメです
立ち上がったときの安定感は抜群です
一通り使いましたが、静音性が高く、信頼性の高いエーハイムがオススメです
メーカーによっては水温が2℃ほど上昇する外部フィルターもあるので注意が必要です
エアレーション式だと底面フィルターやスポンジフィルターがシュリンプと相性がいいです
フィルターは2つ以上のものを併用すると効率がよく、どちらかが機能しなくなった際の保険になります
具体的な例をあげると、60cm水槽に底面フィルター2つとテトラツインブリラントフィルター2基
こんな感じの組み合わせです
自分は底面フィルターとスポンジフィルターをメインに使用していますが、特にろ過不足などに陥ったことはありません
コスト面でも非常に助かっています
底面ですと、アクアシステムのプロジェクトフィルターが形状的には理想的かなと思いますが、どうでしょう?
上部フィルターで管理しているショップも見かけたことがあるので、家に上部フィルターがあればそれでも大丈夫です
上部フィルターや外部フィルターは稚エビが吸い込まれないように吸い込み口にスポンジを取り付けましょう
照明
一般的なアクアリウム用、観賞魚用のLEDで大丈夫だと思います
あまり明るすぎるとエビが隠れて出てこないことがあります
適度な照明はコケや微生物が発生してエビの餌になるようです
ライトを暗くしたところ抱卵しまくったなんて経験もありますので照明が暗いほうが抱卵しやすいのかもしれません
ガンガン光を当て、水草が伸び伸び育つような環境でも、餌がふんだんにあるのか成長が早くなり、抱卵率が上がることも多いです
光を感じる生き物なのでいろいろ試してみるのも面白いです
火災の危険性もあるため日本のアクアリウムメーカーのLEDがオススメです
コトブキのフラットLEDシリーズが安価なうえ、綺麗に見えると思います
浄水器
マーフィードの浄水器、スタンダードやスタンダードネオなどがあると便利です
カルキに関してはコントラコロラインなどのカルキ抜きなどでも大丈夫ですが、エビに有害なものが少しでも入っていると致命的です
水換え後に調子が悪くなるようであれば浄水器の購入は必須かもしれません
餌
雑食性でなんでも食べます
安価なザリガニの餌でも良いですし、高級なエビ用の餌まで選択肢が広がります
オススメはキョーリンのネオプロスです
餌についてはこちらにまとめています

水換え
足し水派と換水派がいますが、飼育に自信がない人は換水をオススメします
1週間に一度、もしくは2週間に一度、4分の1や5分の2ほど水換えをします
長期間水換えをしないで、いきなり大量に水換えをするのは経験上良くありません
何匹か落ちる可能性が高いです
基本的にはクリーナー等で低床の掃除は必要ないかと思います
8ヶ月以上経過した水槽はソイルに悪いものが溜まりやすくなるため、低床の掃除、もしくはリセットを検討するべきです
繁殖方法
繁殖方法
特に何かを特別に用意する必要はありません
オスとメスを状態よく飼育していれば自然と抱卵します
抱卵後約28日で孵化し、稚エビが生まれます
オスとメスの割合
繁殖を考えた場合オス2:メス8の割合が理想的です
オスが多いと脱皮したメスを襲い、死なせてしまう場合があります
うちではオス1匹にメスを30匹かけている水槽もあります
繁殖能力を持たないオスも稀にいるので2匹以上はオスを入れておいたほうが良いかもしれません
稚エビの育て方
レッドビーシュリンプの繁殖では稚エビを育てられずにつまずくことも多いです
基本的に親と同じ環境で放置していれば大きくなります
この際、稚エビの餌は不要です
むしろ餌は与えないほうがうまくいきます
稚エビを育てるのが苦手な方はこちらも併せてお読みください

混泳について
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビ
オトシンクルスやラムズホーンなどのコケ取り部隊との混泳は可能です
黒ヒゲゴケを食べるサイアミーズフライングフォックスも口に入らない大きなレッドビーシュリンプとなら混泳は可能です
カワコザラガイ対策で入れたアベニーパファーも大丈夫でした
たまに突っつくような行動はするので自己責任でお願いします
アベニーやフライングフォックスを入れていても、普通に抱卵するので意外と図太いのかもしれませんね
魚類に関しては基本的にNGだと考えてください
口の小さいテトラなども稚エビを食べてしまうからです
レッドビーシュリンプの死因
考えられる死因としては
- フィルターが止まっている
- ヒーターが止まっている
- 餌不足
- 餌の与えすぎ
- 水ができていない
- 水質
- 水温
- ろ過不足
- 農薬
- 殺虫剤
- 肥料
- 止水域
- 寿命
こんな感じでしょうか?

エビが調子悪い時の対処法
もしエビの調子が悪い場合はこちらも一読ください

最後に
どうでしょう?
難しく感じましたか?
アクアリウム経験者ならすんなり飼育できるのではないでしょうか
レッドビーシュリンプは難しいと聞いていたけどこんなもんか?
という意見もたくさん聞きました
人によっては難しいかもしれません
何度やっても駄目になる人もいるかもしれません
大切な個体を何度も何度も落としてきました
自分も学ぶことはまだまだたくさんあります
一緒にがんばりましょう!
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